ポトスの挿し木(土挿し)の時期は5月中旬〜8月|水挿しとの違いと手順

ポトスの挿し木(土挿し)は、2〜3節つけて切ったつるを、挿し木用の土に挿して根を出させる増やし方です。適期は5月中旬〜8月で、約1か月で発根します。
発根を目で見ながら増やしたい方や、まずは手軽に試したい方は、ポトスの増やし方(水挿し)が向いています。剪定で切ったつるを使う場合は、ポトスの剪定方法で切る時期と位置も確認しておきましょう。
土挿しは、根がはじめから土の中で育つ増やし方です。挿し木用の土には肥料分がないため、根が十分に出たら鉢植え用の土に植えつけます。
この記事の要点
- 適期は5月中旬〜8月。冬は生育が緩やかなので避ける
- 2〜3節つけて切り、肥料分のない清潔な挿し木用の土に挿す
- 約1か月で発根・発芽し、2か月ほどで鉢植え用の土に植えつける
- 切り口の樹液は肌に付けない。切ったつるはペットや子どもの手の届かない所に置く
挿し木(土挿し)とは?水挿しとの違い
ポトスの土挿しとは、節を含めて切ったつるを、清潔な挿し木用の土にそのまま挿して発根させる増やし方です。水挿しのように水の中で根を育てるのではなく、はじめから土の中で根を出させます。
土挿しと水挿しの違い
- 土挿し:根がはじめから土の中で育つ/発根の様子は見えない/根が十分に出たら鉢植え用の土に植えつける
- 水挿し:発根を目で確かめられる/根が十分に伸びたら土に植えかえる
いちばんの違いは、根が育つ場所です。水挿しの根は水の中で伸び、あとで土に移します。土挿しの根ははじめから土の中で育つので、水から土へ移す段階がありません。
「水挿しのほうが簡単そうだから、そちらだけでいいのでは」と思う方もいるかもしれません。たしかに水挿しは発根の様子を確かめやすく、初めての方に向いています。どちらも根が育てば鉢植えにできるので、目的に応じて選びましょう。
適期は5月中旬〜8月
ポトスの土挿しの適期は、気温が高い5月中旬〜8月です。ポトスは寒さに弱く暑さに強い熱帯のつる植物で、冬は生育が緩やかになります。
| 時期 | 挿し木の適期 |
|---|---|
| 3〜4月 | × 適期前 |
| 5月 | ○ 中旬から適期 |
| 6〜8月 | ◎ 適期 |
| 9〜10月 | × 適期を過ぎる |
| 11〜2月 | × 冬は生育が緩やか |
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「真夏の8月は暑すぎるのでは」と思うかもしれませんが、8月も適期に入ります。挿したあとは直射日光を避けた明るい場所に置き、土が乾燥しすぎないように管理しましょう。
挿し木に使う土・鉢・道具
挿し木には、水はけがよく、清潔で、肥料分のない土を使います。花や野菜用の土や、元肥入りの観葉植物用培養土は、挿し木には向きません。
挿し木用の土の条件
水はけがよく、清潔で、肥料分がないことが条件です。次のような土が使えます。
- 鹿沼土や赤玉土の小粒(1種類だけで使う)
- パーライトとバーミキュライトを同じ量ずつ混ぜた土
- 市販の挿し木用の土
土選びの基本は観葉植物の土の選び方も参考にしてください。
鉢は、挿すつるの本数に合った小さめのもので十分です。大きすぎる鉢は土が乾きにくく、過湿で切り口が傷む原因になります。
用意するもの
じょうろや霧吹きなど、水やり用の道具は手持ちのもので構いません。大切なのは、はさみを清潔に保つことと、肥料分のない土を選ぶことの2点です。
挿し木の手順
挿し木は、つるを2〜3節つけて切り、下葉を取って水を吸わせてから、湿らせた挿し木用の土に挿します。
2〜3節つけて切る
手袋をはめ、元気なつるを、節を2〜3個含む長さで清潔なはさみで切る。気根のついた茎だと発根しやすい
下葉を取る
土に埋まる節についた葉を取り除く
水を吸わせる
切り口をしばらく水につけ、挿し穂に水を吸わせる(水揚げ)
湿らせた土に挿す
あらかじめ湿らせた挿し木用の土に、茎の半分ほどまで挿す
たっぷり水を与える
挿した直後に鉢底から流れるまで水を与える
明るい日陰で管理
直射日光を避け、土が乾燥しすぎないように管理する
約1か月で発根・発芽
新芽が動いたら発根の目安。2か月ほどで根が十分に出たら鉢植え用の土に植えつける
切り口を乾かしてから挿す方法は、シャコバサボテンのような多肉質の植物向けです。ポトスは乾かす必要はなく、水を吸わせてから挿します。
発根を助けたい場合は、ルートンなどの発根促進剤を使う方法もあります。ルートンは農薬登録のある植物成長調整剤で、水を吸わせた切り口に粉を薄くまぶして使います。発根促進剤は必須ではなく、適期に清潔な土へ挿せば、使わなくても発根が期待できます。
作業の注意(樹液・誤食・発根促進剤)
ポトスの葉や茎には、不溶性のシュウ酸カルシウムが含まれています(ハイポネックス「ポトスの育て方」)。
- 樹液:つるを切る・下葉を取るときは手袋をして、樹液が肌に付かないようにする。作業後は手を洗う
- 小さな子ども:ポトスは、有毒なものが多いサトイモ科の観葉植物の一つで、実際の誤飲例もある(日本中毒情報センター)。かむと口の中の刺激や痛みが出ることがある
- 犬・猫:口にすると、口の刺激やよだれ、嘔吐などの症状が出るおそれがある
- 置き場所:作業と保管は子どもやペットの手の届かない所で行う。切ったつる・挿し木の鉢・水揚げの容器も同じ
- 誤って口にしたとき:人は中毒110番、ペットはかかりつけの動物病院に相談する
- 発根促進剤(ルートン):粉は薄く付く程度にし、目に入れない。目に入ったらすぐ水で洗い、眼科医の手当てを受ける。かぶれやすい人は取り扱いに十分注意する(KINCHO園芸「ルートン」)
発根までの日数と管理
適期に挿せば、約1か月で発根し、新しい芽も動き始めます。水挿しと違って土の中は見えないので、新芽が出てきたことを発根の目安にします。
置き場所は、直射日光の当たらない明るい日陰が基本です。発根前の挿し穂はまだ根がないため、土が乾燥しすぎないように水を与えます。ただし受け皿に水を溜めて常に湿らせた状態にすると、切り口が傷む原因になります。
水やり前の3チェック
挿し木の管理中も、水やりの前に次の3点を確認しましょう。発根前は「乾かしすぎない」、発根して植えつけたあとは「やりすぎない」が基本です。
- 土の乾き:表面が乾きかけていたら水やりの合図。発根前の挿し穂は根がないので、中まで乾かしきらない
- 受け皿の水:受け皿に溜まった水が残っていないか確認し、残っていれば捨てる
- 季節・気温:気温が低い日は土が乾きにくい。乾き具合を見て、水やりの間隔をあける
鉢植え用の土に植えつけたあとは、ほかの観葉植物と同じく、土が乾いてから水を与えます。観葉植物が枯れる原因でもっとも多いのは、水のやりすぎによる根腐れです。植えつけ後に迷ったら「あげない側」に倒しましょう。
発根の確認は、新芽の動きや、軽く引っ張ったときの抵抗感で判断します。ただし強く引っ張ると根を傷めるため避けましょう。複数本を挿している場合は、1本だけ掘り上げて根の状態を確かめる方法もあります。
土挿しvs水挿し 結局どっち
ポトスは土挿しでも水挿しでも増やせます。選ぶ基準は、発根を目で見たいか、根を最初から土で育てたいかです。
| 比較項目 | 土挿し | 水挿し |
|---|---|---|
| 発根の見えやすさ | 見えない・新芽で判断 | 目で確かめられる |
| 根が育つ場所 | はじめから土の中 | 水の中(あとで土に移す) |
| 発根後の作業 | 2か月ほどで鉢植え用の土に植えつけ | 根が十分に伸びたら土に植えかえ |
| 傷みやすい原因 | 土の過湿 | 水の濁り(水替え不足) |
| 向いている人 | 根を最初から土で育てたい人 | 発根の様子を見たい人・初めての人 |
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発根の様子を観察しながら楽しみたい方や、初めて挑戦する方には水挿しが向いています。根を最初から土の中で育てたい方は、土挿しを選びましょう。迷ったら、まず水挿しで感覚をつかんでから土挿しに挑戦する進め方でもよいでしょう。
うまくいかない・失敗する原因と対処
土挿しの失敗は、症状から原因を切り分けると対処がわかります。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 茎が黒く柔らかい | 過湿・雑菌による腐敗 | 傷んだ部分を切り戻し、新しい挿し木用の土に挿し直す |
| 1か月たっても変化がない | 気温不足で発根が進んでいない | 暖かい時期まで待つ・室温を確保する |
| 発根しない・すぐしおれる | 節を含めずに切ってしまった | 2〜3節つけて切り直す |
| 葉がしおれて元気がない | 発根前で水分を吸えていない一時的な反応 | 数日は様子を見つつ乾燥・直射日光を避ける |
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よくある失敗は、節を含めずに茎だけを挿してしまうケースです。根は節から出るため、切る位置を確認しましょう。茎が黒く柔らかくなっているのは、腐敗が進んだサインです。傷んだ部分を切り戻し、新しい清潔な土に挿し直します。
まとめ
- 適期は5月中旬〜8月。冬は生育が緩やかなので避ける
- 2〜3節つけて切り、下葉を取って水を吸わせてから、挿し木用の土に挿す
- 約1か月で発根・発芽し、2か月ほどで鉢植え用の土に植えつける
- 管理中は明るい日陰に置き、土を乾かしすぎず、受け皿に水を溜めない
- 樹液は手袋で避け、切ったつるや鉢はペットや子どもの手の届かない所に置く
発根の様子を見ながら増やしたい方はポトスの水挿し、根を最初から土で育てたい方は土挿しを選びましょう。植えつけた株の植え替えはポトスの植え替えで解説しています。
参考にした情報
- NHK出版 みんなの趣味の園芸「ポトスの育て方」(さし芽の適期は5月中旬〜8月・2〜3節・さし木用土・約1か月で発根・2か月程度で鉢に植えつけ)
- KINCHO園芸「ルートン」(挿木の適期一覧表のポトスは6〜8月・茎を2〜3節/使用上の注意)
- KINCHO園芸「挿し木、挿し芽でふやすポイント」(挿し木用土の条件・水揚げ)
- KINCHO園芸「ポトスの育て方」(栽培カレンダーのさし木は6〜8月・水ざしは約1カ月で発根)
- ハイポネックス Plantia「ポトスの育て方」(2〜3節・気根・挿し木用の土・樹液に注意・犬や猫への注意)
- 日本中毒情報センター「どんな時に中毒事故が起こるか、どうしたら防げるか」(サトイモ科の観葉植物とポトスの誤飲)
- 日本中毒情報センター「有毒植物による食中毒について」(シュウ酸カルシウムの針状結晶による口やのどの痛み)
- 日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス(一般専用)」
- ASPCA「Golden Pothos」(犬・猫に有毒・よだれや嘔吐などの症状。英語)
よくある質問
ポトスの挿し木は何月がベストですか?
適期は5月中旬〜8月の、気温が高い時期です。ポトスは寒さに弱く、冬は生育が緩やかになるため、挿し木は暖かくなるまで待ちましょう。
挿し木と水挿し、どっちが簡単ですか?
手軽さで選ぶなら水挿しです。透明な容器に挿せば、根が伸びる様子を目で確かめられます。根を最初から土の中で育てたい方には土挿しが向いています。どちらも、根が十分に育ったら鉢植え用の土に植えつけます。
挿し木後、いつ植え替えたらいいですか?
挿し木用の土に挿した場合は、約1か月で発根・発芽し、2か月ほどで根が十分に出ます。そのころに、観葉植物用の培養土など鉢植え用の土で鉢に植えつけましょう。植えつけ後は明るい日陰に置き、水のやりすぎに注意します。
挿し木は何日くらいで根が出ますか?
適期に挿せば、約1か月で発根し、新しい芽も動き始めます。土の中は見えないので、新芽が出てきたことを発根の目安にします。
挿し木にしたポトスがしおれてきました。失敗でしょうか?
挿してすぐの数日は、根がまだ水分を吸えず、葉が多少しおれることがあります。直射日光と乾燥を避けて様子を見ましょう。茎が黒く柔らかくなっている場合は過湿や腐敗のサインなので、傷んだ部分を切り戻し、新しい挿し木用の土に挿し直します。