観葉植物の増やし方4選|挿し木・株分け・水挿し・葉挿しの違いと選び方【早見表】

大きく育った観葉植物から、もう一鉢増やしてみたい。剪定で切った枝を捨てるのがもったいない。そんなときに知っておきたいのが、観葉植物の増やし方です。
結論から言うと、観葉植物を増やす主な方法は挿し木・株分け・水挿し・葉挿しの4つです。どれが向くかは植物の種類で変わります(ポトスなら水挿し、サンスベリアなら株分け、多肉植物なら葉挿し)。
この記事の要点
- 増やす主な方法は4つ=挿し木・株分け・水挿し・葉挿し
- 植物の種類で向く方法が変わる(ポトス→水挿し/サンスベリア→株分け/多肉→葉挿し)
- 適期は暖かい5〜8月ごろ(葉挿しは春・秋)。寒い時期は避ける
- 初心者は発根が目で見える水挿しから試すのがおすすめ
観葉植物を増やす主な方法は4つ
家庭で扱いやすい増やし方は、挿し木・株分け・水挿し・葉挿しの4つです。それぞれ、植物のどの部分を使ってどう根を出させるかが違います。
- 挿し木=切った茎を土に挿す
- 株分け=根の付いた株を分ける
- 水挿し=切った茎を水に挿す
- 葉挿し=葉を1枚使って増やす
どれもむずかしい特別な道具は要らず、生育期の元気な株からなら家庭で気軽に始められます。
大事なのは、植物の性質に合った方法を選ぶことです。
- 茎が長く伸びるつる性・木立ち性の植物=挿し木や水挿し
- 株元から子株が出て茂るタイプ=株分け
- 葉に水分をためる多肉植物=葉挿し
逆にすると発根しづらく、うまく増えません。
「4つも覚えないといけないの」と感じるかもしれませんが、実際にはお手持ちの植物に向く方法を1つ知っていれば十分です。次のミニ振り分けで、我が家の植物がどの方法向きかを確認してみましょう。
茎が伸びるタイプ
- ポトス → 水挿し・挿し木
- モンステラ → 挿し木・水挿し
- パキラ → 挿し木
- 切った茎から根を出させて増やす
つる性・木立ち性は挿し木/水挿し向き
株元で分かれる/多肉タイプ
- サンスベリア → 株分け
- オリヅルラン → 株分け
- 多肉植物 → 葉挿し
- 株や葉を分けて増やす
株が増える種は株分け・多肉は葉挿し
ポトスやモンステラの樹液に注意
ポトスやモンステラ(サトイモ科)の葉や茎には、シュウ酸カルシウムが含まれています。モンステラは樹液が肌に付くとかぶれることがあり、ポトスも切る作業では樹液が皮膚につかないよう手袋をすると安心です(ハイポネックス Plantia「モンステラの育て方」・「ポトスの育て方」)。
ポトスは犬や猫が口にすると、刺激や嘔吐などの症状が出る可能性があります。「安全」と断定はできないため、切った枝や葉は、ペットや小さなお子さんの手の届く所に置かないでください。口にしたおそれがあるときは、子どもは中毒110番(日本中毒情報センター)に、ペットはかかりつけの動物病院に相談しましょう。
【一覧】方法別 早見表で比べる
4つの方法の難易度・向く植物・適期・発根までの目安を一覧にしました。お手持ちの植物と、かけられる手間を照らし合わせて、どの方法から試すかの出発点にしてください。
| 比較項目 | 挿し木 | 株分け | 水挿し | 葉挿し |
|---|---|---|---|---|
| 難易度 | ○ やさしい | ◎ 最も失敗が少ない | ◎ 初心者向き | △ コツが要る |
| 適した植物 | ポトス・モンステラ・パキラ等 茎が伸びる種 | サンスベリア・オリヅルラン等 株元で分かれる種 | ポトス系のつる性 | 多肉植物 |
| 適期 | 5月中旬〜8月(ポトス) | 植え替え時=5〜8月ごろ(ポトス・サンスベリア) | 6〜8月ごろ(ポトス) | 春・秋 |
| 発根までの目安 | 約1か月(ポトス) | 即・根付き済で分ける | 約1か月(ポトス) | 数日〜1か月ほど(多肉植物) |
| 向いている人 | たくさん増やしたい | 確実に増やしたい | 様子を見て楽しみたい | 多肉が好き |
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表を見てわかるとおり、確実さを優先するなら株分けです。すでに根の付いた株を分けるので、根から育て直す必要がなく、活着(新しい環境に根付くこと)がいちばん安定します。
一方、手軽さと安心感なら水挿しで、コップ1つで始められて発根も目で確認できます。
葉挿しは品種によって向き・不向きがあり、途中で枯れる葉もあるため、成功率は方法の中では低めです。それでも多肉植物では定番の増やし方です。多肉を育てているなら、複数枚を並べて気長に待つ前提で挑戦する価値があります。
挿し木の基本手順とコツ
挿し木は、切った茎を土に挿して根を出させる方法です。ポトス・モンステラ・パキラなど、茎が伸びる多くの観葉植物で使え、初心者でも簡単にできます。
元気な枝を切る
生育期に、元気な枝を節が2〜3個含まれる長さで切る
葉と切り口を整える
下のほうの葉は取り除き、大きい葉は半分以下の大きさに切る。切り口は斜めに切って水を吸う面を広げる
清潔な土に挿す
肥料分のない清潔な土(挿し木用や無機質の土)に挿し、倒れない程度に固定する
明るい日陰で管理
直射を避けた明るい日陰に置き、土が乾かないよう管理する。ポトスなら約1か月で発根する
鉢に植えつける
根が十分に出たら(ポトスは2か月ほど)、鉢植え用の土で鉢に植えつける
コツは、切り口をきれいに保つことと、葉からの水分蒸発を減らすことです。切り口が潰れたり不潔だったりすると、根が出る前に傷んでしまいます。
大きな葉を残したままだと、まだ根のない状態で葉からどんどん水が抜けてしおれてしまいます。大きい葉は半分以下の大きさに切って蒸発を抑えます。
土は、花や野菜用の栄養たっぷりの土ではなく、肥料分のない清潔な土を使うのがポイントです。挿し木用の土や無機質の土が向いています。土選び全般は観葉植物の土の選び方もあわせて確認してください。
「1本挿せば必ず付く?」というと、そうとは限りません。挿し木はすべての枝が根付くわけではないため、増やしたい数より少し多めに挿しておくと安心です。清潔なハサミで、生育期に、明るい日陰で。この3つを守れば成功率はぐっと上がります。
株分けのやり方と向く植物
株分けは、根がびっしり付いた1つの株を、根ごと2つ以上に分けて増やす方法です。すでに根がある部分を分けるので活着が良く、いちばん失敗が少ないのが特長です。
鉢から抜く
生育期(植え替え時期)に、株を鉢から抜いて古い土を軽く落とす
株を分ける
根の付いた部分ごとに、手で割くか清潔なハサミで切り分ける。各株に根と葉(芽)が付くように分ける
それぞれ植える
新しい清潔な土で、分けた株を別々の鉢に植え付ける
明るい日陰で養生
直射を避けた明るい日陰に置き、根が落ち着くまで乾かしすぎない程度に管理する
向いているのは、株元から子株が出て茂るタイプです。サンスベリア、オリヅルラン、ネフロレピス(タマシダ)などが代表格で、群れて増える性質を利用します。逆にパキラのように1本の幹が立つタイプは株分けには向かず、挿し木を使います。
株分けのタイミングは、植え替えのときが好機です。鉢から抜くついでに分けられるので株への負担が少なく、根詰まりの解消も同時にできます。目安として3〜4年に1回、根が回ってきたら分けると管理しやすくなります。
サンスベリアなど乾燥系は水のやりすぎに注意
サンスベリアは乾燥に強い一方、過湿には弱い植物です。株分けしたばかりの株は吸水力が弱っているので、2週間くらいは水やりの必要はありません。乾燥系ならではの過湿事故と対処はサンスベリアの根腐れ対策で詳しくまとめています。
水挿しでの増やし方
水挿しは、切った茎を水に挿して発根させる方法です。土も鉢も要らず、コップ1つで始められて根が目で見えるので、初心者が最初に試すのにいちばん向いています。ポトスをはじめとするつる性の植物で特に成功しやすい方法です。
茎を切る
生育期に、元気な茎を節を2〜3個含めて切る
下葉を落として水に挿す
水に浸かる部分の葉は取り除き、切り口を清潔な水に挿す。透明な容器だと根が見えて管理しやすい
水が濁ったら換える
水が濁ったら新しい水に換えて清潔に保つ。ポトスなら約1か月で根が出てくる
根が伸びたら土へ
根が十分に伸びて新芽が出たら、清潔な土の鉢に植え替える。植え替え後しばらくは乾かしすぎない
いちばんのコツは、水が濁ったら換えて清潔に保つことです。濁った水のままにすると、根が出る前に切り口が腐ってしまいます。
発根を助けたい場合は、活力剤のメネデールを水に薄めて使う方法もあります。なくても発根はしますが、メネデールはさし木や花瓶の水にも使える活力剤です。使う際は製品ラベルの希釈倍率を守ってください。
ポトスの水挿しの手順やコツ、水で飾る楽しみ方はポトスの水挿しでの増やし方で詳しく扱っています。
葉挿しでの増やし方
葉挿しは、葉を1枚使って新しい株を増やす方法で、多肉植物で用いられる定番のやり方です。茎を切る挿し木とは違い、葉1枚から根と芽が出てくるのが特徴で、少ない材料でたくさん増やせます。
葉挿しの基本の流れ(多肉植物向け)
元気な葉を、付け根からきれいに1枚もぎ取ります。切り口を数日乾かしてから、清潔な土の上に葉を置く(挿すのではなく寝かせる)だけです。
乾いた土のまま、根が出るまでは水やりをせず風通しのよい日陰に置くと、数日〜1か月ほどで葉の付け根から根が出てきます。すべての葉が成功するわけではないので、複数枚を並べておくのがコツです。
葉挿しが難易度△なのは、根が出たあとも子株が育つまでじっくり待つ必要があり、途中で枯れてしまう葉もあるからです。焦って水をやりすぎると葉が溶けてしまうので、乾かし気味に、気長に待つのが成功のポイントになります。
多肉植物の葉挿しの手順や胴切りとの使い分けは、多肉植物の葉挿しでの増やし方で詳しく扱っています。
【比較】水挿し vs 土に挿す(挿し木)結局どっち
ポトスやモンステラのように、水挿しでも挿し木(土に挿す)でも増やせる植物では、「結局どっちがいいの」と迷いがちです。どちらも正解で、手軽さと観察を取るか、最初から土に強い根を取るかの違いです。
まず増やす感覚をつかみたい初心者の方は水挿しが向いています。発根が目で見えて安心でき、失敗しても切り直してやり直せます。ただし水中で伸びた根は土の環境に慣れていないため、植え替え後しばらくは乾かしすぎないよう気をつける必要があります。
一方、根を最初から土で育てたい方は挿し木が向いています。土の中で育った根は最初から土に強く、水中の根のような慣らしは要りません。
ただし挿し木用の土で根が十分に出たら、鉢植え用の土で鉢に植えつけます(ポトスは2か月ほど)。どちらか迷ったら、まず水挿しで1本試してみて、慣れたら挿し木に進むと失敗が少ないでしょう。
失敗しないための時期・環境と注意点
どの方法にも共通する、成功率を左右するポイントがあります。それは時期・温度・清潔さ、そして発根後の水やりです。ここを外すと、正しい手順で作業してもうまく根が出ません。
| 比較項目 | 成功しやすい条件 | 避けたい状況 |
|---|---|---|
| 時期 | 暖かい5〜8月ごろ | 気温15℃以下の寒い時期 |
| 温度 | 15℃以上の暖かい環境 | 冷える窓辺・冷房の風が直に当たる場所 |
| 道具・用土 | 清潔なハサミ・肥料分のない清潔な土や水 | 汚れた刃・古い土・濁った水 |
| 置き場所 | 直射を避けた明るい日陰 | 直射日光の当たる場所・暗すぎる場所 |
| 発根後の水 | 乾かしすぎない程度に管理 | 常に土がびしょ濡れ(過湿) |
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最も多い失敗が、寒い時期に作業してしまうことです。発根には暖かさと明るさが必要で、気温が低いと株の活動が鈍り、根が出る前に切り口が傷んでしまいます。増やす作業は、植物がよく育つ暖かい時期(5〜8月ごろ)に行うのが鉄則です。
もう1つ見落としがちなのが、発根後の水のやりすぎです。ようやく根付いた若い株はまだ根が弱く、常に湿った状態が続くとあっけなく根腐れします。「せっかく増えたのだから」と世話を焼きすぎるより、乾かし気味に管理するほうが安全です。
水やり前の3チェック
増やした苗を育てるときも、水やりの前に次の3点を確認しましょう。
- 土の乾き:指を土に入れて、中までしっかり乾いているか確認する(表面の色だけで判断しない)
- 受け皿の水:前回の水やりで受け皿に溜まった水が残っていれば捨てる
- 季節・気温:気温が低い時期は土が乾きにくいため、乾いていても数日待つくらいでよい
観葉植物が枯れる原因でもっとも多いのは、水のやりすぎによる根腐れです。とくに発根したばかりの若い苗は根が弱く過湿に弱いため、迷ったら「あげない側」に倒すのが根腐れを防ぐコツです。
増やし方のよくある疑問
最後に、観葉植物の増やし方でよく寄せられる疑問をまとめました。
切った枝はどのくらいで根が出ますか?
方法と植物によりますが、ポトスなら水挿しも挿し木も約1か月が目安です。多肉植物の葉挿しは、根が出るまで数日〜1か月ほどが目安です。
いずれも生育期の暖かい時期が前提で、寒い時期は発根が遅れたり止まったりします。焦らず、清潔を保って待つことが成功への近道です。
増やした苗はいつ肥料をあげればいいですか?
根がしっかり出て、新しい葉が伸び始めてからにしましょう。発根前や植え替え直後に肥料を与えると、まだ弱い根が傷む原因になります。
植え替えから2〜3週間ほど様子を見て、株が元気に動き出したのを確認してから、薄めた液体肥料などを与えるのが安心です。
まとめ
観葉植物を増やす主な方法は、挿し木・株分け・水挿し・葉挿しの4つです。植物の性質に合った方法を選ぶことが成功の第一歩になります。
- ポトスやモンステラ=挿し木・水挿し
- サンスベリアやオリヅルラン=株分け
- 多肉植物=葉挿し
初心者の方は、まず発根が目で見える水挿しをポトスで試すのがおすすめです。どの方法にも共通するコツは次の3つです。
- 暖かい時期(5〜8月ごろ)に清潔な道具で作業する
- 明るい日陰で管理する
- 根付いた若い苗は過湿を避ける
水やり前の3チェックを習慣にして、増やした株も長く元気に育てていきましょう。
参考にした情報
- ハイポネックス Plantia「ポトスの育て方」(挿し木は2〜3節を含めて切る・気根のついた茎は発根につなげやすい・水挿しは節が水につかるように挿し、水が濁ったら交換・株分けは根と茎がついた状態で分ける)
- KINCHO園芸「ポトスの育て方」(水ざしは6〜8月ごろ・2〜3節に切る・約1か月で発根・新芽が出たら植えつけ)
- NHK出版 みんなの趣味の園芸「ポトスの育て方」(さし芽は5月中旬〜8月・2〜3節・約1か月で発根・2か月程度で鉢に植えつけ)
- みんなの趣味の園芸「挿し木(挿し芽)で植物を増やす方法」(挿し木はもっとも簡単な増やし方・用土は清潔で肥料分がないもの・切り口の斜めカット・残した葉は半分以下に切る・発根までは明るい日陰)
- みんなの趣味の園芸「株分けで植物を増やす方法」(株分けは活着が良く失敗が少ない・3〜4年に1回・オリヅルラン等)
- ハイポネックス Plantia「サンスベリアの育て方や植えかえ方法とは」(株分けは子株を切り分ける・5〜8月ごろの植えかえと同時に・株分け後2週間は水やり不要)
- ハイポネックス Plantia「モンステラの育て方」(葉や茎のシュウ酸カルシウム・樹液が肌に付くとかぶれることがある・手袋)
- メネデール「植物活力素 メネデール」(さし木などに使える活力剤)
- 日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス(一般専用)」
よくある質問
観葉植物を増やすいちばん簡単な方法はどれですか?
初心者の方には水挿しがおすすめです。切った茎をコップの水に挿すだけで始められ、根が伸びていく様子が目で見えるので安心感があります。まずは丈夫で発根しやすいポトスで試すと、失敗が少なく増やす感覚をつかみやすいです。根が十分に伸びたら土に植え替えます。
観葉植物を増やすのに適した時期はいつですか?
株がよく育つ暖かい時期、5〜8月ごろが目安です。たとえばポトスは、挿し木(さし芽)が5月中旬〜8月、水挿しが6〜8月ごろ、株分けは5〜8月の植え替えと同時に行います。反対に、気温が15℃を下回る寒い時期や、株が弱っているときは避けたほうが失敗しにくいです。
水挿しで根が出たら、そのまま水で育て続けてもいいですか?
根が十分に伸びて新芽が出てきたら、土に植え替えるのが基本です。水中で伸びた根(水根)は土の環境に慣らす必要があるため、植え替え後しばらくは土を乾かしすぎないよう管理します。水のまま育て続けたい場合は、ハイドロカルチャー用の資材に植え替える方法もありますが、水の腐敗や肥料不足に注意が必要です。
挿し木にしたのに、なかなか根が出ません。なぜですか?
考えられる原因は、時期が寒い・切り口が傷んでいる・土や水が不潔・光や温度が足りない、などです。発根には生育期の暖かさと明るさが必要なので、5〜8月ごろに、清潔な道具で切り、肥料分のない清潔な土や、濁ったら換えるきれいな水に挿し、直射を避けた明るい日陰で管理してみてください。すべての枝が根付くとは限らないため、複数本を挿すと成功率が上がります。
発根促進剤は使ったほうがいいですか?
なくても多くの観葉植物は発根します。発根を助けたい場合、水挿しや水揚げには活力剤のメネデールを、挿し木の切り口には発根促進剤のルートンを使う方法があります。いずれも製品ごとにラベルの用法・希釈を必ず守って使ってください。とくにルートンなどの薬剤は使用量・使い方の表示に従うことが大切です。