ポトスの増やし方は水挿しが一番かんたん|節から根を出す手順と失敗しないコツ

ポトスの増やし方は水挿しが一番かんたん|節から根を出す手順と失敗しないコツ

ポトスは観葉植物のなかでも、いちばん手軽に増やせる種類のひとつです。伸びすぎたツルを切って水に挿しておくだけで、切り口の近くから白い根がにょきにょきと出てきます。

この記事で扱うのは、元気な株のツルを切って新しい株を増やす水挿しです。透明な容器なら発根の様子が目で見えるので、初めての方や小さなお子さんと一緒に育てる方にもおすすめのふやし方です。

なお、根腐れなどで弱ってしまった株を立て直す作業は、同じ「水に挿す」でも目的が違います。腐って傷んだ株のレスキューはポトスの根腐れ|弱った株の立て直しを参考にしてください。この記事は、あくまで健康なポトスを増やすための水挿しに絞って解説します。

この記事の要点

  • ポトスは節(ふし)から根を出す性質があり、水挿しで一番かんたんに増やせる
  • 適した時期は生育期の5〜8月。気温が高いと発根が早い
  • 節を1〜2個含めて切り、下葉を落として節を水に沈めるのが基本
  • 発根の目安は約2週間〜1か月。こまめな水替えで腐らせないのがコツ

ポトスの増やし方は「水挿し」が一番かんたん

ポトスを増やす方法はいくつかありますが、初心者が失敗しにくいのは断然水挿しです。用意するのは切ったツルと水を入れる容器だけ。土も鉢も要らず、思い立ったその日に始められます。

透明な容器に挿したポトスの茎から白い根が伸びている水挿しのクローズアップ
節を水に沈めておくと、切り口の近くから白い根が伸びてきます

いちばんの理由は、ポトスがもともと節(ふし)から根を出す性質を持っているからです。ツルの葉の付け根には節があり、そこには根のもとになる部分が備わっています。だから節を水に沈めておくだけで、そこから発根してくれるのです。

透明なコップやガラス瓶を使えば、根が出てくる様子が目で見えるのも水挿しの魅力です。土に挿す「挿し木」だと土の中で発根するため成否が分かりづらいのですが、水挿しなら「もう根が出た」「まだかな」と成長を確認しながら待てます。

「水に挿すだけで本当に増えるの?」と半信半疑の方もいるかもしれません。ポトスは繁殖力が強く、ハイポネックスの育て方でも、切った茎を水に挿して毎日水を替えれば1か月ほどで発根し、鉢に植え替えられると紹介されています。特別な道具や技術がなくても、基本さえ押さえれば高い確率で根が出ます。

水挿しに適した時期は5〜8月

水挿しはいつでもできるわけではなく、成功率が季節で大きく変わります。もっとも適しているのは、気温が高く生育が活発になる5〜8月です。

なぜ5〜8月が適期なのか

ポトスは熱帯生まれの植物で、気温が20〜25度以上ある暖かい時期にぐんぐん育ちます。生育が活発なほど発根に必要な力が強く働くため、この時期に水挿しすると根が早く・確実に出ます。KINCHO園芸の育て方でも、ポトスの水ざしの適期は6〜8月とされています。

理由は、発根が「植物の生育の勢い」に左右されるからです。暖かい時期は代謝が活発で、切ったツルも早く根を出そうとします。逆に気温の下がる秋から冬は生育がほぼ止まり、根がなかなか出ないうえ、水の中で切り口が腐りやすくなります。

「今すぐ増やしたいけれど、季節が合わない」という場合もあると思います。冬でも暖房の効いた暖かい室内で、明るい場所を確保できれば発根しないわけではありません。ただし発根まで時間がかかり、腐らせる失敗も増えるため、急がないなら春〜夏まで待つのが確実です。剪定で切ったツルを活用したいときは、適期に合わせて剪定する計画にすると無駄がありません。

どこで切る?節と気根を見分ける

水挿しの成否は「どこで切るか」でほぼ決まります。ポイントは、根のもとになる節を必ず含めて切ることです。節を含まない茎だけを水に挿しても、根は出てきません。

切ったツルは、葉を2〜3枚残して、水に浸かってしまう下のほうの葉は取り除きます。葉が水中にあると腐って水を汚す原因になるためです。NHK出版みんなの趣味の園芸でも、さし芽は2〜3節をつけて切るのが基本とされています。

気根とは(あると発根が有利)

ポトスのツルをよく見ると、節から小さな突起やヒゲのようなものが出ていることがあります。これが気根(きこん)で、空気中の水分をとらえたり、他のものに張り付いたりするための根です。

気根がすでに出ている節を含めて切ると、その気根がそのまま水中で伸びて本格的な根になりやすく、発根が有利になります。切る場所を選べるなら、気根が見える節を残すとよいでしょう。

切り方のコツ(清潔なハサミ・斜め切り)

切る道具と切り方も、成功率を左右します。雑菌が入ると切り口から腐りやすくなるため、清潔なハサミやカッターを使いましょう。

切り口は斜めにカット

切り口は真横ではなく斜めに切ると、水を吸う断面が広くなり、発根が促されやすくなります。ハサミは使う前に洗うか、アルコールで拭いておくと雑菌の持ち込みを防げます。傷んだツルや細すぎるツルは避け、太くしっかりしたツルを選ぶのも発根率を上げるコツです。

水挿しの手順【図解】

準備ができたら、実際に水挿しをしていきます。手順はシンプルで、ポイントは節を水に沈め、葉は水に浸けないことに尽きます。

容器はコップやガラス瓶で十分ですが、透明なものを選ぶと発根の様子が見えて管理もしやすくなります。飾りながら発根を楽しみたい方には、一輪挿しのような細身のガラス花瓶も向いています。

一輪挿し(ガラス花瓶)

一輪挿し(ガラス花瓶)

楽天 参考価格 ¥1,340 ※変動します

置き場所は、直射日光の当たらない明るい日陰が基本です。強い直射日光は水温を上げて葉を傷めやすく、逆に暗すぎる場所では発根が進みません。レースカーテン越しの窓辺のような、やわらかい光の入る場所が理想です。

「水に肥料を入れたほうが早く育つのでは」と思うかもしれませんが、発根前の水に肥料を入れるのは逆効果です。詳しくは活力剤の節で触れますが、まずはきれいな水だけで発根を待つのが基本と覚えておいてください。

発根までの日数と水替えの頻度

水挿しでいちばん多い失敗が、水を替えずに切り口を腐らせてしまうことです。発根までの日数と、腐らせないための水替えのペースを押さえておきましょう。

発根の目安は約2週間〜1か月です。5〜8月の暖かい時期なら2週間ほどで白い根が見え始めることもあり、気温が下がるほど時間がかかります。焦らず、水をきれいに保ちながら待つのがコツです。

水替えの頻度と腐らせないコツ

水替えは、夏は毎日〜2日に1回、気温の低い時期は7〜10日に1回が目安です。大切なのは「足し水」ではなく、そのつど全量を新しい水に交換すること。減った分を足すだけでは古い水と雑菌が残り、腐敗が進みます。水に浸かって傷んだ葉があれば、そのつど取り除きましょう。

水が濁ったりぬめりが出たりしたら、日数に関係なくすぐ交換し、容器も洗います。清潔な水を保つことが、発根までの一番の近道です。ハイポネックスの解説でも、毎日水を替えて清潔に保つことがすすめられています。

根が出ないときの原因

「2週間以上たっても根が出ない」というときは、いくつかの原因が考えられます。よくあるトラブルと対処を、症状ごとに整理しました。

水挿しトラブル早見表|症状→原因→対処
比較項目 考えられる原因 対処
2週間以上たっても根が出ない 節が水に浸かっていない・葉を全部取った・光や気温の不足 節を沈め直す・葉を1枚残す・明るく暖かい場所へ移す
切り口や茎が黒くぶよぶよ 水の汚れや雑菌による腐敗 腐った部分を切り戻し、新しい水で挿し直す
水が濁る・ぬめる 水替え不足・水に浸かった葉の腐敗 水を全量交換し容器を洗う・浸かる葉を取り除く
葉が黄色くなる 栄養切れ、または低温 土や薄い液肥への移行を検討・置き場所を暖かくする
根は出たが伸びない 発根後の栄養不足 土へ植え替えるか、活力剤・薄い液肥で栄養を補う

← 横にスクロールできます →

いちばん多いのは、節が水に浸かっていないケースです。根は節から出るので、葉ではなく節がしっかり水中にあるかを確認しましょう。それでも動きがなければ、切り口を新しく切り直し、暖かく明るい場所に移して仕切り直すのがおすすめです。

メネデール等の発根促進剤は使うべき?

「早く根を出したいからメネデールを入れたい」という方も多いのですが、結論から言うと、発根促進剤や活力剤は必須ではありません。ポトスはきれいな水だけでも十分に発根します。

発根前の水に「肥料」は入れないで

活力剤(メネデール等)は発根の後押しに使えますが、必ず製品ラベルの希釈倍率を守り、薄めて使ってください。原液のまま濃く使うのはおすすめしません。また、肥料(液体肥料)を発根前の水に入れるのはNGです。栄養分で水が腐りやすくなり、かえって切り口を傷めます。肥料を与えるのは、根が出て土や水耕栽培に移してからにしましょう。

活力剤は、水に混ぜて発根を後押しする補助として使うものです。鉄などの成分を植物が吸いやすい形で含み、根の出をサポートしますが、あくまで補助であって「入れれば必ず早く出る」という魔法の薬ではありません。

メネデール 活力剤

メネデール 活力剤

楽天 参考価格 ¥1,580 ※変動します

使う場合は、規定の倍率に薄めた活力剤水に挿すか、水替えのタイミングで薄めたものを使います。濃ければ効くというものではないため、必ずラベルの用法を守ってください。活力剤を使わないなら、その分こまめに水を替えて清潔を保つほうが、結果的に発根の成功率は高まります。

水挿しから土へ植え替える判断とタイミング

根が出たら、次は土に植え替えるか、水耕のまま育てるかを選びます。土に移すなら、タイミングの見極めが大切です。

土へ移す目安は、白い根が3〜5cmほど伸び、新しい芽(新芽)が動き始めたころです。根が短いうちに土へ移すと、環境の変化に耐えられず枯れることがあります。しっかり根が育ってから移すのが安全です。

ボリュームを出すなら寄せ植えに

1本ずつ植えると寂しくなりがちなので、発根したツルを3〜5本まとめて1つの鉢に寄せ植えすると、最初からボリュームのある株姿になります。KINCHO園芸の育て方でも、1鉢に3〜5本を寄せ植えする方法が紹介されています。増やしたツルをまとめて植えれば、見栄えのする鉢が手軽に作れます。

土に植えるか、水耕のまま育てるかは好みで選べます。それぞれの特徴を整理しました。

土に植え替える vs 水耕(ハイドロ)で育てる
比較項目 土に植え替える 水耕(ハイドロ)で育てる
成長スピード 速い・大きく育てやすい ゆるやか
根の丈夫さ 土に適応した丈夫な根になる 水中の根はやや弱め
手間(水替え) 乾いたら水やり・水替えは不要 定期的な水替え・容器洗いが必要
見た目・飾りやすさ 鉢植えらしい落ち着いた見た目 透明容器で根まで見せられる
肥料の与え方 土用の肥料・活力剤で管理 薄めた液肥・活力剤で補う
向いている人 大きく育てたい・鉢植えで飾りたい人 テーブルで手軽に・清潔に飾りたい人

← 横にスクロールできます →

大きく育てたいなら土植えが、テーブルなどに清潔に飾りたいなら水耕が向いています。土に植える場合は、水はけのよい観葉植物用の培養土と、鉢底石を用意しましょう。

水やり前の3チェック

植え替えた直後は、水のやりすぎによる根腐れがいちばんの失敗です。水をあげる前に、次の3点を確認しましょう。

  1. 土の乾き:指を第二関節まで入れて、中までしっかり乾いているか確認する(表面の色だけで判断しない)
  2. 受け皿の水:受け皿に溜まった水が残っていないか確認し、残っていれば捨てる
  3. 季節・気温:気温が低い時期は土が乾きにくいため、乾いていても数日待つくらいでよい

観葉植物の失敗No.1は水のやりすぎです。水挿しから土に移したばかりの株は特にデリケートなので、迷ったら「あげない側」に倒すのが根腐れを防ぐ鉄則です。

観葉植物用の培養土

観葉植物用の培養土

楽天 参考価格 ¥798 ※変動します

鉢底石

鉢底石

楽天 参考価格 ¥1,564 ※変動します

水耕のまま育てるなら、土の代わりにハイドロボール(ハイドロカルチャー用の人工用土)を使うと、水の管理がしやすく清潔に保てます。

ハイドロボール

ハイドロボール

楽天 参考価格 ¥979 ※変動します

ペットや小さなお子さんがいるご家庭へ

ポトスはサトイモ科の植物で、葉や茎にシュウ酸カルシウムを含みます。犬・猫や乳幼児が誤ってかじると、口の中の刺激や痛み、よだれ、消化器の不調などを起こすことがあるとされています。「安全」と断定はできないため、水挿しの容器や伸びたツルは、ペットやお子さんの手の届かない場所に飾りましょう。誤食が疑われる場合は、動物は動物病院、人は日本中毒情報センターなどに相談してください。

ポトスの水挿しでよくある疑問

最後に、ポトスの水挿しでよく寄せられる疑問をまとめました。

切ったツルは根が出るまで何本まとめても大丈夫?

1つの容器に何本かまとめて挿しても発根します。ただし本数が多いほど水が汚れやすくなるため、こまめな水替えが欠かせません。混み合いすぎると風通しが悪くなるので、容器の口に対してゆとりのある本数にしましょう。

発根したツルを親株に戻す(挿し戻す)のはあり?

はい、発根したツルを親株の鉢に挿し戻すと、根元がボリュームアップして株姿が整います。ポトスは伸びると株元がスカスカになりやすいので、増やしたツルを株元に植え足すのは、見た目を整える定番の方法です。

まとめ

ポトスの増やし方は、節を含めて切ったツルを水に挿すだけの「水挿し」がいちばんかんたんです。適した時期は生育期の5〜8月、節を1〜2個含めて斜めに切り、下葉を落として節を水に沈め、葉は水に浸けないのが基本。明るい日陰に置き、こまめに水を全量交換すれば、約2週間〜1か月で白い根が出てきます。

活力剤は必須ではなく、肥料は発根前の水に入れないのが鉄則です。白い根が3〜5cm伸びて新芽が動き出したら、土に植え替えるか水耕のまま育てるかを選びましょう。植え替え直後は水のやりすぎに注意し、「水やり前の3チェック」を習慣にして、増やしたポトスを長く元気に楽しんでください。


参考にした情報

よくある質問

ポトスの水挿しは何日で根が出ますか?

目安は約2週間〜1か月です。気温が高く生育が活発な5〜8月は発根が早く、2週間ほどで白い根が見えることもあります。反対に気温の下がる秋〜冬は発根が遅く、腐りやすくもなります。根が数センチ伸びるまでは水挿しのまま、こまめに水を替えて待ちましょう。

ポトスはどこで切ればいいですか?

葉の付け根にある「節(ふし)」を1〜2個含めて、節の少し下で切るのが基本です。この節から根が出るため、水に沈めるのは必ず節の部分です。ツルの先から10〜15cmを目安にし、清潔なハサミで斜めにカットすると水を吸う面が広がります。

水はどのくらいの頻度で替えればいいですか?

夏は毎日〜2日に1回、気温の低い時期は7〜10日に1回が目安です。水が濁ったりぬめりが出たりしたらすぐ全量を交換し、容器も洗いましょう。水に浸かって傷んだ葉は取り除きます。足し水ではなく、そのつど新しい水に入れ替えるのが腐らせないコツです。

水耕(水挿し)のままずっと育てられますか?

可能です。清潔な水を保ち、薄めた液体肥料や活力剤で栄養を補えば、土に植えずに水耕で長く楽しめます。ハイドロボールなどの人工用土を使うハイドロカルチャーにすると、水管理がしやすくなります。ただし土植えに比べて成長はゆるやかで、栄養切れには注意が必要です。

メネデールなどを入れると早く根が出ますか?

メネデール等の活力剤がなくても、ポトスは水だけで発根します。薄めた活力剤水は発根の後押しとして使えますが、必ず製品ラベルの希釈倍率を守ってください。肥料(液肥)を発根前の水に入れると水が腐りやすくなるため、発根前は入れないのが基本です。

猫や小さな子どもがいても水挿しして大丈夫ですか?

注意が必要です。ポトスはサトイモ科で、葉や茎をかじると口の中の痛みなどを起こすことがあるとされます。「安全」とは断定できないため、水挿しの容器やツルは犬・猫・お子さんの手の届かない場所に飾りましょう。誤食が疑われる場合は、動物は動物病院、人は日本中毒情報センターなどに相談してください。