ポトスの増やし方は水挿しが一番かんたん|節から根を出す手順と失敗しないコツ

ポトスは観葉植物のなかでも、いちばん手軽に増やせる種類のひとつです。伸びすぎたツルを切って水に挿しておくだけで、切り口の近くから白い根がにょきにょきと出てきます。
水挿しは、元気な株のツルを切って新しい株を増やす方法です。透明な容器なら発根の様子が目で見えるので、初めての方や小さなお子さんと一緒に育てる方にもおすすめです。
根腐れなどで弱ってしまった株を立て直す作業は、同じ「水に挿す」でも目的が違います。腐って傷んだ株のレスキューはポトスの根腐れ|弱った株の立て直しを参考にしてください。
この記事の要点
- ポトスは節(ふし)から根を出す性質があり、水挿しで一番かんたんに増やせる
- 適した時期は6〜8月。気温が高いと発根が早い
- 節を2〜3個含めて切り、下葉を落として節を水に沈めるのが基本
- 発根の目安は約1か月。水が濁ったら替えて腐らせないのがコツ
ポトスの増やし方は「水挿し」が一番かんたん
ポトスを増やす方法はいくつかありますが、初心者が失敗しにくいのは断然水挿しです。用意するのは切ったツルと水を入れる容器だけ。土も鉢も要らず、思い立ったその日に始められます。
いちばんの理由は、ポトスがもともと節(ふし)から根を出す性質を持っているからです。ツルの葉の付け根には節があり、そこには根のもとになる部分が備わっています。だから節を水に沈めておくだけで、そこから発根してくれるのです。
透明なコップやガラス瓶を使えば、根が出てくる様子が目で見えるのも水挿しの魅力です。土に挿す「挿し木」は土の中で発根するため、成否が分かりづらい方法です。水挿しなら「もう根が出た」「まだかな」と成長を確認しながら待てます。
「水に挿すだけで本当に増えるの?」と半信半疑の方もいるかもしれません。ポトスは水挿しで簡単に増やせる植物で、6〜8月ごろに切った茎を水に挿しておくと、約1か月で発根します。特別な道具や技術は要りません。
水挿しに適した時期は6〜8月
水挿しはいつでもできるわけではなく、成功率が季節で大きく変わります。もっとも適しているのは、気温が高く生育が活発になる6〜8月です。
なぜ6〜8月が適期なのか
ポトスは熱帯生まれの植物で、暖かい時期にぐんぐん育ちます。生育が活発なほど発根に必要な力が強く働くため、この時期に水挿しすると根が出やすくなります。
理由は、発根が「植物の生育の勢い」に左右されるからです。暖かい時期は代謝が活発で、切ったツルも早く根を出そうとします。逆に気温の下がる秋から冬は生育がほぼ止まり、根がなかなか出ないうえ、水の中で切り口が腐りやすくなります。
「今すぐ増やしたいけれど、季節が合わない」という場合もあると思います。冬でも暖房の効いた暖かい室内で、明るい場所を確保できれば発根しないわけではありません。
ただし発根まで時間がかかり、腐らせる失敗も増えるため、急がないなら6月まで待つのが確実です。剪定で切ったツルを活用したいときは、適期に合わせて剪定する計画にすると無駄がありません。
どこで切る?節と気根を見分ける
水挿しの成否は「どこで切るか」でほぼ決まります。ポイントは、根のもとになる節を必ず含めて切ることです。節を含まない茎だけを水に挿しても、根は出てきません。
元気なツルを選ぶ
剪定で切ったツルや、伸びすぎたツルを使う
節を2〜3個含める
葉の付け根にある節を2〜3個ふくむ長さにする
節の少し下で切る
一番下の節の少し下の位置でカットする
下の葉を取る
水に浸かる一番下の葉は摘み取り、上の葉は残す
切ったツルは、水に浸かってしまう下のほうの葉を取り除きます。葉が水中にあると腐って水を汚す原因になるためです。
気根とは(あると発根が有利)
ポトスのツルをよく見ると、節から小さな突起やヒゲのようなものが出ていることがあります。これが気根(きこん)で、空気中の水分をとらえたり、他のものに張り付いたりするための根です。
気根がすでに出ている節を含めて切ると、その気根がそのまま水中で伸びて本格的な根になりやすく、発根が有利になります。切る場所を選べるなら、気根が見える節を残すとよいでしょう。
切り方のコツ(清潔なハサミ・斜め切り)
切る道具と切り方も、成功率を左右します。雑菌が入ると切り口から腐りやすくなるため、清潔なハサミやカッターを使いましょう。
切り口は斜めにカット
切り口は真横ではなく斜めに切ると、水を吸う断面が広くなり、発根が促されやすくなります。傷んだツルや細すぎるツルは避け、太くしっかりしたツルを選ぶのも発根率を上げるコツです。
ハサミは使う前に洗うか、アルコールで拭いておくと雑菌の持ち込みを防げます。アルコールは引火しやすいので、火の気のない場所で拭きます。
ポトスの葉や茎にはシュウ酸カルシウムが含まれています。切るときは、樹液が皮膚につかないよう手袋をすると安心です。
水挿しの手順【図解】
準備ができたら、実際に水挿しをしていきます。手順はシンプルで、ポイントは節を水に沈め、葉は水に浸けないことに尽きます。
元気なツルを選ぶ
太くしっかりした、葉の色つやのよいツルを選ぶ
節の少し下で斜めカット
節を2〜3個含め、清潔なハサミで斜めに切る
下葉を落とす
水に浸かる位置の葉を取り、上の葉は残す
容器に水・節を沈める
節が水に沈み、葉は水に浸からない水位にする
明るい日陰に置く
直射日光を避けた、明るく暖かい場所に置く
水が濁ったら替える
水が濁ったら、全量を新しい水に交換する
発根を待つ
約1か月で発根。新芽が出たら次の工程へ
容器はコップやガラス瓶で十分ですが、透明なものを選ぶと発根の様子が見えて管理もしやすくなります。飾りながら発根を楽しみたい方には、口がすぼまって胴が丸い、小さなガラスの花器も向いています。
置き場所は、直射日光の当たらない明るい日陰が基本です。強い直射日光は水温を上げて葉を傷めやすく、逆に暗すぎる場所では発根が進みません。レースカーテン越しの窓辺のような、やわらかい光の入る場所が理想です。
「水に肥料を入れたほうが早く育つのでは」と思うかもしれませんが、発根前の水に肥料を入れるのは逆効果です。詳しくは活力剤の節で触れますが、まずはきれいな水だけで発根を待つのが基本と覚えておいてください。
発根までの日数と水替えの頻度
水挿しでいちばん多い失敗が、水を替えずに切り口を腐らせてしまうことです。
発根の目安は約1か月です。気温が下がるほど時間がかかります。焦らず、水をきれいに保ちながら待つのがコツです。
水替えの目安と腐らせないコツ
水は、濁ったらそのつど替えます。大切なのは「足し水」ではなく、全量を新しい水に交換すること。減った分を足すだけでは古い水と雑菌が残り、腐敗が進みます。水に浸かって傷んだ葉があれば、そのつど取り除きましょう。
ぬめりが出たときもすぐ交換し、容器も洗います。清潔な水を保つことが、発根までの一番の近道です。
根が出ないときの原因
「1か月以上たっても根が出ない」というときは、いくつかの原因が考えられます。よくあるトラブルと対処を、症状ごとに整理しました。
| 比較項目 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 1か月以上たっても根が出ない | 節が水に浸かっていない・葉を全部取った・光や気温の不足 | 節を沈め直す・葉を1枚残す・明るく暖かい場所へ移す |
| 切り口や茎が黒くぶよぶよ | 水の汚れや雑菌による腐敗 | 腐った部分を切り戻し、新しい水で挿し直す |
| 水が濁る・ぬめる | 水替え不足・水に浸かった葉の腐敗 | 水を全量交換し容器を洗う・浸かる葉を取り除く |
| 葉が黄色くなる | 栄養切れ、または低温 | 土や薄い液肥への移行を検討・置き場所を暖かくする |
| 根は出たが伸びない | 発根後の栄養不足 | 土へ植え替えるか、活力剤・薄い液肥で栄養を補う |
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いちばん多いのは、節が水に浸かっていないケースです。根は節から出るので、葉ではなく節がしっかり水中にあるかを確認しましょう。それでも動きがなければ、切り口を新しく切り直し、暖かく明るい場所に移して仕切り直すのがおすすめです。
メネデール等の発根促進剤は使うべき?
発根促進剤や活力剤は必須ではありません。ポトスはきれいな水だけでも十分に発根します。
発根前の水に「肥料」は入れないで
活力剤(メネデール等)は発根の後押しに使えますが、必ず製品ラベルの希釈倍率を守り、薄めて使ってください。原液のまま濃く使うのはおすすめしません。
また、肥料(液体肥料)を発根前の水に入れるのはNGです。栄養分で水が腐りやすくなり、かえって切り口を傷めます。肥料を与えるのは、根が出て土や水耕栽培に移してからにしましょう。
活力剤は、水に混ぜて発根を後押しする補助として使うものです。メネデールは、植物の生長に欠かせない鉄を根から吸収されやすいイオンの形で含み、発根を促します。ただし、あくまで補助であって「入れれば必ず早く出る」という魔法の薬ではありません。
使う場合は、規定の倍率に薄めた活力剤水に挿すか、水替えのタイミングで薄めたものを使います。濃ければ効くというものではないため、必ずラベルの用法を守ってください。
活力剤を使わないなら、その分こまめに水を替えて清潔を保つほうが、結果的に発根の成功率は高まります。
水挿しから土へ植え替える判断とタイミング
根が出たら、次は土に植え替えるか、水耕のまま育てるかを選びます。土に移すなら、タイミングの見極めが大切です。
土へ移す目安は、根が十分に伸び、新しい芽(新芽)が出てきたころです。根が短いうちに土へ移すと、環境の変化に耐えられず枯れることがあります。しっかり根が育ってから移すのが安全です。
ボリュームを出すなら寄せ植えに
1本ずつ植えると寂しくなりがちです。発根したツルを3〜5本まとめて1つの鉢に寄せ植えすると、最初からボリュームのある株姿になります。増やしたツルをまとめて植えれば、見栄えのする鉢が手軽に作れます。
土に植えるか、水耕のまま育てるかは好みで選べます。それぞれの特徴を整理しました。
| 比較項目 | 土に植え替える | 水耕(ハイドロ)で育てる |
|---|---|---|
| 成長スピード | 速い・大きく育てやすい | ゆるやか |
| 根の丈夫さ | 土に適応した丈夫な根になる | 水中の根はやや弱め |
| 手間(水替え) | 乾いたら水やり・水替えは不要 | 定期的な水替え・容器洗いが必要 |
| 見た目・飾りやすさ | 鉢植えらしい落ち着いた見た目 | 透明容器で根まで見せられる |
| 肥料の与え方 | 土用の肥料・活力剤で管理 | 薄めた液肥・活力剤で補う |
| 向いている人 | 大きく育てたい・鉢植えで飾りたい人 | テーブルで手軽に・清潔に飾りたい人 |
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大きく育てたいなら土植えが、テーブルなどに清潔に飾りたいなら水耕が向いています。土に植える場合は、水はけのよい観葉植物用の培養土と、鉢底石を用意しましょう。
水やり前の3チェック
植え替えた直後は、水のやりすぎによる根腐れがいちばんの失敗です。水をあげる前に、次の3点を確認しましょう。
- 土の乾き:指を土に入れて、中までしっかり乾いているか確認する(表面の色だけで判断しない)
- 受け皿の水:受け皿に溜まった水が残っていないか確認し、残っていれば捨てる
- 季節・気温:気温が低い時期は土が乾きにくいため、乾いていても数日待つくらいでよい
観葉植物が枯れる原因でもっとも多いのは、水のやりすぎによる根腐れです。水挿しから土に移したばかりの株は特にデリケートなので、迷ったら「あげない側」に倒すのが根腐れを防ぐ鉄則です。
水耕のまま育てるなら、土の代わりにハイドロボールを使う方法があります。ハイドロカルチャー用の人工用土で、水の管理がしやすく清潔に保てます。
ペットや小さなお子さんがいるご家庭へ
ポトスはサトイモ科の植物で、葉や茎に不溶性のシュウ酸カルシウムを含みます。犬や猫が口にすると、刺激や嘔吐などの症状が出る可能性があります(ハイポネックス Plantia「ポトスの育て方」)。
「安全」と断定はできないため、水挿しの容器や伸びたツルは、ペットやお子さんの手の届かない場所に飾りましょう。誤食が疑われる場合は、動物はかかりつけの動物病院、人は中毒110番(日本中毒情報センター)に相談してください。
ポトスの水挿しでよくある疑問
最後に、ポトスの水挿しでよく寄せられる疑問をまとめました。
切ったツルは根が出るまで何本まとめても大丈夫?
1つの容器に何本かまとめて挿しても発根します。ただし本数が多いほど水が汚れやすくなるため、こまめな水替えが欠かせません。混み合いすぎると風通しが悪くなるので、容器の口に対してゆとりのある本数にしましょう。
発根したツルを親株に戻す(挿し戻す)のはあり?
はい、発根したツルを親株の鉢に挿し戻すと、根元がボリュームアップして株姿が整います。ポトスは伸びると株元がスカスカになりやすいので、増やしたツルを株元に植え足すのは、見た目を整える定番の方法です。
まとめ
ポトスの増やし方は、節を含めて切ったツルを水に挿すだけの「水挿し」がいちばんかんたんです。
- 適した時期は6〜8月
- 節を2〜3個含めて斜めに切り、下葉を落とす
- 節を水に沈め、葉は水に浸けない
- 明るい日陰に置き、水が濁ったら全量を交換する。約1か月で白い根が出る
- 活力剤は必須ではなく、肥料は発根前の水に入れない
- 根が十分に伸びて新芽が出てきたら、土に植え替えるか水耕のまま育てるかを選ぶ
植え替え直後は水のやりすぎに注意し、「水やり前の3チェック」を習慣にしましょう。
参考にした情報
- ハイポネックス Plantia「ポトスの育て方」(挿し木は2〜3節を含めて切る・水挿しは節が水につかるように挿し、水が濁ったら交換・ハイドロカルチャーでも育てられる・葉や茎のシュウ酸カルシウム・作業時は樹液が皮膚につかないよう手袋・犬や猫が口にすると刺激や嘔吐などの可能性)
- KINCHO園芸「ポトスの育て方」(水ざしは6〜8月ごろ・2〜3節に切り一番下の葉を摘む・約1か月で発根・新芽が出たら植えつけ・1鉢に3〜5本の寄せ植え)
- NHK出版 みんなの趣味の園芸「ポトスの育て方」(さし芽は2〜3節をつけて切り約1か月で発根・春〜秋は半日陰)
- 東京消防庁「消毒用アルコールは正しく取扱いましょう!」(アルコールは蒸発しやすく火源があると引火するおそれ・火気の近くで使わない)
- メネデール「植物活力素 メネデール」(鉄を根から吸収されやすいイオンの形で含む・発根を促す)
- 日本中毒情報センター「中毒110番・電話サービス(一般専用)」(動植物の毒などによる急性中毒の相談)
よくある質問
ポトスの水挿しは何日で根が出ますか?
目安は約1か月です。水挿しに向く6〜8月ごろに挿した場合の日数で、気温の下がる秋〜冬は発根が遅く、腐りやすくもなります。十分に発根して新芽が出るまでは水挿しのまま、水が濁ったら替えて待ちましょう。
ポトスはどこで切ればいいですか?
葉の付け根にある「節(ふし)」を2〜3個含む長さで、節の少し下で切るのが基本です。この節から根が出るため、水に沈めるのは必ず節の部分です。清潔なハサミで斜めにカットすると水を吸う面が広がります。
水はどのくらいの頻度で替えればいいですか?
日数で決めず、水が濁ったら替えるのが目安です。ぬめりが出たときもすぐ全量を交換し、容器も洗いましょう。水に浸かって傷んだ葉は取り除きます。足し水ではなく、そのつど新しい水に入れ替えるのが腐らせないコツです。
水耕(水挿し)のままずっと育てられますか?
可能です。清潔な水を保ち、薄めた液体肥料や活力剤で栄養を補えば、土に植えずに水耕で長く楽しめます。ハイドロボールなどの人工用土を使うハイドロカルチャーにすると、水管理がしやすくなります。ただし土植えに比べて成長はゆるやかで、栄養切れには注意が必要です。
メネデールなどを入れると早く根が出ますか?
メネデール等の活力剤がなくても、ポトスは水だけで発根します。薄めた活力剤水は発根の後押しとして使えますが、必ず製品ラベルの希釈倍率を守ってください。肥料(液肥)を発根前の水に入れると水が腐りやすくなるため、発根前は入れないのが基本です。
猫や小さな子どもがいても水挿しして大丈夫ですか?
注意が必要です。ポトスはサトイモ科で、葉や茎に不溶性のシュウ酸カルシウムを含み、犬や猫が口にすると刺激や嘔吐などの症状が出る可能性があります。「安全」とは断定できないため、水挿しの容器やツルは犬・猫・お子さんの手の届かない場所に飾りましょう。誤食が疑われる場合は、動物はかかりつけの動物病院、人は日本中毒情報センターの中毒110番に相談してください。